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小樽市の土産物店などが並ぶ堺町通り商店街の南端にあり、通称「メルヘン交差点」横に建つ「銀の鐘1号館」の2階喫茶店は、小樽散策後の休憩にぴったり。好みのカップを選んで飲み物を楽しみ、使用したカップは持ち帰れるというちょっと変わったサービスの人気が高い。自宅でカップを見るたび、旅の思い出に浸ることができそうだ。
カップはキャラクターものなど9種類がそろう。店名があしらわれたガラス製の品や、小樽運河のイラストが入ったタイプが人気がある。定期的にデザインを変更しているため、リピーターも多いという。メニューはコーヒーや紅茶などがあり、温かいものは飲み放題、冷たいものも1杯までおかわりできる。日替わりスイーツがつき、ゆっくり一息つけそうだ。使用したカップは水ですすぎ、箱に入れて持ち帰ることができる。
同店は新型コロナウイルスの影響で3月から営業を自粛し、7月23日に席数を減らして再開した。一方、休業中には道外からカップ購入の問い合わせが相次ぎ、宅配で販売したこともあるという。 夫を亡くしたという女性からは、長年夫婦で愛用していたそろいのガラスカップのうち、一つが割れてしまったと電話があった。デザインは異なるものの、女性は新しいカップを購入。担当者は「とても喜んでもらい、こちらが励まされました」と話す。
同店は、全国で菓子製造卸などを手がける長登屋(名古屋市)が1994年に開店した。店名は、北海道で最初の鉄道、旧手宮線各駅で使われていた鐘が由来。小樽好きだった故・加藤登輝夫前社長が、厳しい冬でも雪が反射して銀色に輝いた鐘のように、「どんな時も輝きを忘れない」という意味を込めたという。
観光業界は先行きの見えない状況が続くが、同店は「銀の鐘」の名前の通り、コロナ禍にも負けずに営業している。
◇所在地
小樽市入船1の1の2。電話0134・21・2001。2階喫茶の営業時間は9〜17時。 無休。カップの料金は600〜1780円(飲み物、スイーツ込み)。
◇毎日フレンド会員特典
携帯、スマートフォンのクーポン画面または会員証の提示で会計から10%割引き(除外品あり、クレジット不可)。グループ全員有効。 |