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江差港マリーナの傍らにある資料館「開陽丸青少年センター」は、幕末期に造られ、1868(明治元)年に江差沖で沈没した徳川幕府の軍艦「開陽丸」を復元。海底から引き揚げられた遺物を展示している。
開陽丸は全長約73メートル、乗員数500人(最大)、大砲を26門(もん)備えた蒸気船で、オランダで建造された当時最新鋭の軍艦。 海底調査で約3万3000点が引き揚げられ、うち3000点を展示している。軍艦ならではの大砲や砲弾といった武器の一部は直接触ったり持ち上げたりするコーナーがある。 ガイドの浅野由香さんにあまり知られていないエピソードを聞くと、「徳川幕府がオランダに船に取り付ける『葵(あおい)のご紋』を注文したのですが、出来上がったのは“ハート”に近いご紋=写真。現地では珍しい図形だったことと、当時ヨーロッパでハート形が流行していたことが影響したと思われます」。
また、洋装ならではのボタンとベルトのバックル、フォークや食器といった生活用品に加え、碁石やドミノも見つかっている。乗組員が過酷な航海のつかの間にゲームを楽しむ様子が目に浮かぶ。 このほか墨つぼの底に隠されていた「へそくり」も。現在の価値で約10万円。新天地での暮らしに蓄えていたお金かも、と混沌(こんとん)とした時代に思いをはせる。
浅野さんは、「ハンモックや大砲射撃音の体験コーナーもありますので、試してみてください」と話す。 近くには江差町のシンボル、かもめ島がある。風光明媚(めいび)な岸辺を散策しながら眺めるのも楽しい。
◇所在地 江差町姥神町1の10 電話 0139・52・5522 営業時間=9時〜17時 定休日=11月4、5、10、17、25、26日 12月1、8、15、22、24、29、31日 翌1月〜3月末まで冬季閉館(4〜10月は無休)。詳しくはこちら
……………………………………………………………………………………………………… ◇毎日フレンド会員特典 会員証または指定割引券の提示で、グループ全員の入館料が大人500円が450円、小中高生250円が225円に割り引き。
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