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札幌市厚別区に1983年“開村”した北海道開拓の村は、明治から昭和初期の道内各地の建造物を移築・復元し、開拓期の道民の生活や文化が学べる野外博物館だ。54ヘクタール(東京ドーム11個分)のいにしえの街に、夏は馬車鉄道の馬蹄(ばてい)の音、冬は馬そりの鈴の音が響き渡る。 村内には、2013年、国の重要文化財に指定された旧開拓使工業局(1877年築)などの庁舎をはじめ、商店、公会堂、学校、交番、消防番屋、工場、農家住宅などが軒を連ね、たびたびドラマや映画のロケ地にも使われてきた。村を周回して楽しむだけでも訪れる価値は十分だが、せっかくなら開拓の槌音(つちおと)響く当時の生活を体感してみたい。 夏休み期間中(7月18日〜8月23日)に開催の「夏・むら・ロマン」は、人気の恒例行事だ。着物や浴衣で訪れると入場料が無料になるほか、竹馬やけん玉を名人に教わる「昔の遊び体験」、紙芝居などの大道芸、野だて、七夕行事ほか盛りだくさん。中でも「まるごと昔の日」と名付けた8月7〜9日の3日間は、村人に扮(ふん)したボランティアと一緒に、そば打ち、生葉染め、写経、漁村での「もっこ担ぎ」なども経験できる。 さらに営業部の松井則彰さんのお勧めは、小学生が対象の体験教室だ。「昔のくらし・しごと体験」では、丸太切りや障子張り、掃除、洗濯など、昔の子どもたちの“お手伝い”をボランティアのお年寄りに学ぶ。お駄賃として渡される村専用の通貨で、馬車に乗り、駄菓子を買うなどのお楽しみも。 履き心地がいいと評判の「わらぞうりづくり教室」も人気だ。「稲わらをたたいて縄を“なう”ところから始めるので、子どもたちの表情も達成感にあふれています」と松井さん。「昔の暮らしを体験しながら今の暮らしを感じてみて」と語った。夏休みの自由研究もこれで解決!? …………………………………………………………………………………………………… ◇所在地 札幌市厚別区厚別町小野幌50の1 ☎011−898−2692 5月1日〜9月30日=9〜17時(無休)▽10月1日〜3月31日=16時半まで(月曜休館※月曜が 祝日の場合、翌日休館)▽4月1〜30日=9時〜16時半(同)▽12月29日〜1月3日休館。 一般830円(冬期間680円)、高大生610円(同550円)。年間パスポート1500円ほか。 催し期間など詳細はこちらまで ……………………………………………………………………………………………………… ◇毎日フレンド会員特典 毎日フレンド会員は、会員証または携帯クーポン提示、もしくは指定割引券提出のいずれかで入場料が一般 680円(冬期間550円)、高大生550円(同480円)に(家族全員有効)。
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