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スウェーデンのオッシャ市に広がる山地にヒグマやホッキョクグマ、アムールトラなどを放し飼い展示する「オッシャ・ベアパーク」。のぼりべつクマ牧場(登別市登別温泉町)の元園長、伊勢伸哉さんがここを訪れ「北海道の自然に生きるヒグマを見てほしい」との思いを強くしたのが、世界初のヒグマ専門のサファリパーク誕生のきっかけとなった。
ベアパークの飼育法に学び、検討を重ねて2006年、大雪山麓サホロ・リゾートの15ヘクタール(東京ドーム3・2個分)の林地にオープン。木々がうっそうと茂る園内には現在、4〜5歳以上のオスのヒグマのみ11頭が放し飼いされている。 最大480キロという重量級の“山親爺(やまおやじ)”たちを見るには、行きは窓に鉄格子をはめた特製バス、帰りは遊歩道の利用がお勧めだ。 車窓から林道をのっそりと歩くヒグマを眺めつつ、バスで20分ほど行くと、池で魚を追いかけたり、じゃれ合う姿がガラス越しに観察できる施設「ベア・ポイント」に到着。ここでは飼育員に11頭の名前や性格などを教わりながらヒグマをバックに記念撮影を楽しめる。 復路は、敷地を横切るように5メートルの高さに設けられた全長370メートルの遊歩道を歩いてみよう。森に潜むヒグマを探しながら、森林浴を楽しみたい。同園アトラクショングループの斎藤和則さん(48)によれば「キタキツネやエゾリス、ヘビや昆虫もいて、北海道の自然を体感できる」そうだ。 野生に近い環境で飼育されているとはいえ、同園のヒグマはクマ牧場育ちの飼育熊だ。食べ物やメスを巡る争いもなく、のんきな様子には思わず笑みがこぼれるが、園長の佐々木和好さん(51)によると、来園者による餌付けは行っていない。「野生熊への餌付けの危険を理解してほしい。ヒグマの愛らしい仕草に加えて、季節による体格の違いや、争いを避けて行動する様子など見どころ満載ですよ」。今後はヒグマが好むブドウなどの植樹や、園内で冬ごもり中の様子を観察する企画も計画中という。
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◇所在地 新得町狩勝高原 電話 0156−64−7007 営業は25日〜10月18日(7〜9月は無休、他は火曜定休=5月5日を除く)、9〜16時。入場料=1836円、4歳〜小学生と60歳以上1080円。ベアウォッチングバス付き=中学生以上2916円など ※ホテルのレストランで使えるお得な入場券+バス付きランチパック(中学生以上3200円など)も。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇毎日フレンド会員特典 指定割引券提出でグループ全員、入場料が大人(中学生以上)216円引き、子ども(4歳〜小学生)とシニア(60歳以上)108円引き。バス付き入場券が大人756円引き、子どもとシニア648円引 |