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ニセコ町のスキーリゾートエリア、ニセコアンヌプリ(1308メートル)の南西に位置するモイワ山(839メートル)の「ニセコモイワスキー場」もまた、国内外からスキーヤーらが集う人気のエリアだ。その雪質は「パウダーを超えたシャンパンスノー」とたたえられる。非圧雪のジャイアントコースや大回転バーンなどの上級者向けから、野生生物が訪れる林間コースや羊蹄山を望むスカイコースなど、冬の自然をたっぷりと楽しめる。2011年には第2ペアリフトを増設し、年内にホテル「THE Lodge MOIWA834」がオープン予定だ。
ゲレンデもさることながら、場外滑走(バックカントリー)も常連客のお目当てだ。ゲレンデから場外へ出るためのゲートが2カ所あり、開いていれば、天然の斜面に出ることができる。アンヌプリエリアと合わせ計10カ所あるゲートは、01年に地元自治体やスキー場関係者で組織された「ニセコアンヌプリ地区なだれ事故防止対策協議会」が設置。開閉は、雪崩情報や地域のさまざまな気象情報を基に判断している。 それまではゲレンデの四方八方からロープをくぐって危険斜面に入り、雪崩などで命を落とすスキーヤーらが後を絶たなかったが、「ゲートを設け、地域が一丸となって未然防止に取り組んだ結果、事故が激減した」とニセコ町商工観光課長の前原功治さん(48)。 雪崩情報を提供し、「ニセコルール」(場外滑走の心得)をまとめあげたのが「ニセコ雪崩調査所」だ。所長で冒険家の新谷暁生さん(67)は、モイワ山麓(さんろく)でロッジを営みながら、「繰り返されてきた死亡事故を無くしたい」一念で安全啓発を行ってきた。同ルールは、利用者の自己責任に帰着することなく、スキー場へも「場外滑走について説明責任を持ち、利用者の自由を尊重し、その安全に重大な関心を持つ」といった姿勢を促している。 こうした活動が認められ、新谷さんは「利用客の思いをかなえつつ安全を守り、地域振興への貢献も果たした」として11月22日、「ワールド・スキー・アワード2014」に選ばれた。授賞式が行われたオーストリアからの帰国直後「目の前の安全を何とかしなければ、との思いしかなかった」と新谷さんは語った。
◇ゲレンデ情報 ニセコ町ニセコ448 電話 0136・59・2511 営業時間 8〜16時(3月31日まで)。 4時間券=3000円、1日券=3900円▽60歳以上3000円▽小中生=600円。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇毎日フレンド会員特典 毎日フレンド会員は、会員証提示または指定割引券提出でグループ全員、1日券3900円が3600円に
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