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「まあ、おめでとうございます」。札幌市の結婚相談所「オフィス・アン」が企画した「親同士のお見合い」がきっかけで息子の結婚が決まったとの母親からの電話に、相談所代表の斎藤美智子さんは声を弾ませた。「故郷にUターンした息子さんに出会いがないと悩んでいらしたので良かった」。男女の出会いを取り持つご近所や親類の“おせっかい”が減った今「自ら相手を見つけるのは難しいという方もいる。行動的になれない子を心配する親も増えました」と現状を訴える。 「いっそ親が仲人になってもいいのでは」と2000年、札幌市で未婚の子を持つ親同士が一堂に会し、娘や息子が知り合うきっかけを作る催しを行った。これがマスコミを通じて評判となり、今では全国各地で年10回ほど「親の縁は子の縁」と題した交流会を開く。会では親が、娘や息子の年齢▽学歴▽職業▽趣味などが書かれたリストを手に、これはというお相手候補の親のテーブルを訪ね歩く。合意が得られたところで氏名、履歴書、写真などを交換、子に持ち帰るという仕組みだ。成婚率は2割5分から3割。ここ5年は20代の子を持つ親の参加が増えたという。 親を介した婚活がにぎわう一方で、斎藤さんが気がかりなのは、未婚化が進む非正規就業者の存在だ。「結婚のチャンスは平等にあっていい」と強調する。10年に厚生労働省が調査を行い、12年に発表した「社会保障を支える世代に関する意識等調査報告書」では、30代男性の正規就業者の未婚率30・7%に対し、非正規就業者は75・6%と大差がついた。40代に至っても「非正規」の45・7%が未婚のままだ。だれもが安定した生活を営める社会改革はもとより「結婚に臆病になっている人を勇気づけ、後押しすることも大事な使命」と斎藤さん。2年前に「特定非営利活動法人(NPO法人)全国結婚・家庭未来塾」を設立した。「雇用形態によらず、男女が力を合わせ、家庭を持つ幸せを実感してほしい」と、講演会や交流会への参加を呼びかけている。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇所在地 札幌市北区北7西4・東カンビル1015 ☎011−716−1666 火曜定休、10〜18時。※第4回北海道親の縁は子の縁交流会。 12月13日12時、わくわくホリデーホール(札幌市中央区北1西1)。 12月4日までに申し込む(先着順)。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇毎日フレンド会員特典 会員証提示で、各種交流会参加費を20%引き(本人のみ)
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